リップルニュース!オンラインイベント国際送金は今後未来どうなる?

2020年8月18日リップル社がオンラインによる事業戦略説明会を開催。

リップル社の国際事業部門シニアディレクターの吉川絵美氏がメディア向けに登壇。

内容は、リップル社の概要、日本市場における戦略や今後の展開についてのプレゼンが行われました。

今回は実際に使用された資料を元に内容を解説しました。

RippleとXRPの違い

吉川氏は、世の中で混同されているリップルとXRPの違いについて解説。

XRPは暗号資産で、よくRipple(XRP)と記述されていたり、呼ばれたりするが、正しくは「XRP」が仮想通貨の正式名だと。

そして、リップル社は暗号資産XRPと分散型台帳技術(DLT:Distributed Ledger Technology)を利用した国際送金システムを開発する企業名およびシステムの名称。

それと、暗号資産XRPとその分散型台帳技術であるXRP Ledgerは、公開されているソフトウェアプロジェクト(リップル社以外も参加できる)であり、リップル社は開発者コミュニティの一員として参加している立場という。

国際送金の需要が爆上げ

人の動きやビジネスの世界展開が加速している現在では、移民人口の割合が年間で9%上昇しているという。

それにより、個人や中小企業などの国際送金が爆発的に上昇をしていて、送金額はここ30年でおよそ13倍まで増加していると、リップル社は説明。

リップル社のRipplenetが国際送金の問題を解決

不確実性:銀行の送金システムのSWIFTはバケツリレーの伝言ゲームのようなもので、相互にやりとりをすることに対して難があるため、どこかで送金が止まった場合は、送金元は分かる術がなくいつ着金したかもわからないといった状態。

遅延:各地でコルレス(中継)銀行を経由するため銀行の営業時間にも左右されやすく、送金には時間が掛かり遅延も発生しやすくなっている

リスク:送金先によっては銀行をいくつも中継させる必要がある場合があり、その都度手数料が発生する。また何個も銀行を経由することによって追跡することに難が生じる

コストの不確証姓:どれくらいの銀行を経由するかは送金してみないと分からないため、事前にトータルの手数料を把握することができない。

リップル社のRippleNetでは、送受金する銀行を直接つなぐので、コルレス銀行を不要にし、一回でかつ営業時間に縛られずにリアルタイム取引が可能。

これまで数日かかっていた国際送金がわずか数秒で完了する。

また、双方向メッセージング機能により一方向のバケツリレーの問題を解決。

これにより、国際送金のスピード・決済リスクの最小化・透明性を確保し、銀行間の相互運用を実現することができる。

リップル社は2015年に、異なる台帳間で通貨など価値の移動を行う「インターレジャー・プロトコル(ILP)」を提唱。

現在W3Cによって国際標準化が進められています。

ILPを使うリップルネットは、APIを提供することで銀行を統合することができます。

Ripplenetに接続された銀行同士は、送金ネットワークにて送金をし、合理化されたリアルタイムでの低コスト送金を実現。

リップルネットによる国際送金取引は、双方向メッセージング機能があり、送金情報のやり取りをスムーズに行うことができます。

リップル社の吉川氏は、銀行のSWIFTのメッセージングが手紙の郵送だとすれば、リップルネットはLINEのようなものと言及。

これにより、送金に関する個人情報などのやり取りが行われ即時決済が実行され、わずか数秒での送金が完了。

暗号資産XRPをブリッジ通貨として利用した国際送金のさらなる効率化

ODLでは、ブリッジ通貨として仮想通貨XRPを利用。

送金側で法定通貨がXRPに交換され、受け取り側でXRPを現地の法定通貨に交換されます。

それにより、法定通貨を事前に用意する必要がなく手数料を最小限に抑えることができ、取引も数秒で完了することから迅速かつ効率的に決済できます。

送金は瞬時に行われるため、ボラティリティの影響を受けることも少ない。

ちなみにODLは、すでに欧米からフィリピンやメキシコなどへの送金に導入されており、今後、順次ODLを拡大していく計画であると吉川氏は説明。

また、吉川氏はXRPが送金に適した暗号資産であることをビットコイン(BTC)と比較。

XRPは、決済にかかる時間がわすが3秒程度、取引手数料も圧倒的に低く、1秒間に1500件の取引が処理できる圧倒的なスケーラビリティの優位性を説いた。

それが、国際送金にXRPを利用する理由という。

リップル社の国際送金分野での今後の戦略

国際送金の市場にはさまざまなタイプの送金があるが、Rippleは事業戦略としてその中でも低額・高頻度の送金にフォーカスを当てていくという。

従来の国際送金は大企業の高額送金がメインだったが、Rippleは個人や中小企業の海外送金、国境を越えたEコマースやマーケットプレイスに注目。

この分野は摩擦も多く課題も大きいが、最も成長拡大している。

そして、リップルの国際送金システムがこれらの課題解決に貢献できると見ている。

また、Rippleは送金業者として事業を行うのではなく、あくまでも送金をより効率良くするために国際送金システムを提供し、金融機関を支援していくという。

そのために、リップルはODLの普及に注力していくことを明らかにしている。

日本市場においてRippleは、急増する移民送金ニーズに対応していくとのこと。

日本における国際送金ニーズは、少子高齢化による労働不足から外国人労働者が増加しており、労働者が母国へ送金する件数が急増。

また、海外への業務委託も増加し、コロナ禍によりその増加は加速しているという。

Rippleは、これらに対応するために、現在、日本市場へのODL開始に取り組んでいる。

SBIグループのRipplenetの国際送金導入事例

日本からベトナムやフィリピンなど、主要送金国への対応に焦点を当てているという。

リップルはSBIグループとの共同会社SBI Ripple Asiaを設立し、アジアにおける「価値のインターネット」の実現を目指しているが、吉川氏はSBIグループのSBIレミットがすでに国際送金サービスにRippleNetを活用している導入事例を紹介。

SBIレミットは、タイのサイアム商業銀行およびベトナムのTPBankと協業で、RippleNetを活用した国際送金サービスを提供しているという。

Ripplenetの国内外送金の一元化

吉川氏は、さらに日本の国内送金・決済システムの問題についても言及。

日本は、公正取引委員会が「全銀システム」や「CAFIS」など金融システムにおける独占を問題視していることを挙げた。

従来の高コストかつ低い利便性、中央集権型の仕組の金融システムが、フィンテックのイノベーション等を阻んでいる現状があることから、これらを見直さなければならない時期が来ていると。

Rippleは日本市場に対する戦略として、RippleNetの技術を活用した送金の仕組みにより、国内送金においても飛躍的かつ効率化・低コスト化を図る。

またそれによって国内外の送金の一元化を目指すという。

リップル社出資マネータップの内外為替一元化送金プラットフォーム

国内外の送金の一元化については、内外為替一元化送金プラットフォーム「Money Tap」を紹介。

Money Tapは、SBIホールディングスの子会社であるマネータップ(およびSBI Ripple Asia)が開発するスマートフォン向けチャージ不要の銀行送金アプリ。

24時間365日のリアルタイム送金を実現している。

Money Tapを金融インフラとして連携することで、全銀ネットワークなど既存インフラと比べて安い手数料を実現し、金融機関の接続負担を軽減できるという。

Money Tapには、住信SBIネット銀行、スルガ銀行、三井住友銀行ほか、30社を超える銀行・金融機関が出資している。

また、マネータップは、PayPay、LINE Payとも業務提携を行っている。

チャージにおいて、Money Tapを連携。

本来CAFISなどの仲介を挟むのをやめてMoney Tapを経由することで、リアルタイムチャージが可能になり、ここでも既存インフラと比べ安い手数料を実現。

2020年6月に発表されたRippleの新しい取り組み「PayID」についても説明。

PayIDは、従来の金融関連サービスと新しいフィンテックを融合させ、あらゆる業界の企業を支援する、オープンソースの全世界共通の送金ID。

またPayIDは、銀行口座、銀行支店コード、クレジットカード番号などよりも認識しやすいIDを使用し、あらゆる送金ネットワークでの送受金を可能にするという。

PayIDにより、利用するプロバイダーを問わず、メールアドレスで家族や友人にメールを送るのと同じように、「user$domain.com」といった形式のPayIDにより、簡単に送金が可能になる。

Rippleはこれらの技術を活用し、ビジョンに掲げている「価値のインターネット」の実現に向けて、着実に前進していることがわかった。

日本においても、いよいよ低価格かつ迅速な送金サービスの実現が見えてきたのではないだろうか。

まとめ

今回は、リップル社の事業説明会の内容についてまとめさせていただきました。

・RippleとXRPの違い
・国際送金の需要が爆上げ
・リップル社のRipplenetが国際送金の問題を解決
・暗号資産XRPをブリッジ通貨として利用した国際送金のさらなる効率化
・リップル社の国際送金分野での今後の戦略
・SBIグループのRipplenetの国際送金導入事例
・Ripplenetの国内外送金の一元化
・リップル社出資マネータップの内外為替一元化送金プラットフォーム

今まで海外での活躍が多く取り上げられて来ましたが、いよいよ日本に進出してきたといった印象ですね。

今年の10月14日、15日にはリップル社主催のイベント「SWELL」が開催されます。

今回はコロナの影響で、オンラインでの開催になる見込みですので、参加者は大きく増えるかと思っております。

そして、これだけ動いているリップル。

もしかしたら、思いもよらぬサプライズが用意されているかもしれません。

楽しみです。

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